集中力が続かない時に試したい:デスクワーク中のセルフケアとリフレッシュ法
集中力が途切れてしまうことはありませんか
デスクワークが中心の業務では、長時間パソコンに向き合うことが多く、気がつけば集中力が途切れてしまっている、という経験をお持ちの方もいるかもしれません。特にITエンジニアのような専門職では、高い集中力を求められる場面が多く、集中力の低下は業務の効率性や品質に影響を及ぼす可能性があります。
この集中力の低下は、単なる気のゆるみではなく、心身の疲れやストレスのサインであることもあります。しかし、忙しい業務の中で、どのように対処すれば良いか分からず、悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、職場ですぐに試せる具体的なセルフケアやリフレッシュ方法をご紹介します。手軽な方法を取り入れることで、集中力を回復させ、心身ともに健康的に業務に取り組むための一助となれば幸いです。
集中力を回復させる具体的なセルフケア
オフィスで手軽に実践できる、集中力を回復させるためのセルフケアをご紹介します。
短時間の休憩(マイクロブレイク)を取り入れる
集中力が途切れる前に、意識的に短い休憩を挟むことが効果的です。
- ポモドーロ・テクニックの応用: 25分集中して作業し、5分休憩するというサイクルを繰り返す方法です。厳密に時間を区切るのが難しい場合でも、1時間ごとに数分の休憩を入れるだけでも効果があります。
- 意識的な休憩: 休憩中は、仕事のことからは完全に離れてください。スマートフォンを見るのではなく、窓の外を眺めたり、温かい飲み物を飲んだり、席を立って少し歩いたりするなど、気分転換を心がけることが大切です。
体をほぐす簡単なストレッチや姿勢の見直し
長時間同じ姿勢でいると、体は凝り固まり、血行不良につながり集中力低下を招きます。
- 首や肩のストレッチ: 席に座ったままでもできる簡単なストレッチです。首をゆっくり左右に倒したり、肩を大きく回したりするだけでも効果があります。
- 背伸び: 時々大きく背伸びをして、全身を伸ばしましょう。体の緊張がほぐれ、リフレッシュできます。
- 座り方の見直し: 定期的に座る姿勢を見直しましょう。背筋を伸ばし、足の裏が床にしっかりつくように座ることで、体への負担を軽減できます。
五感を活用したリフレッシュ
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚といった五感に働きかけることで、気分転換を図ることができます。
- 視覚: デスク周りに観葉植物を置いたり、疲れた時に遠くの景色を数分間眺めたりすることで、目の疲れを和らげ、気分を落ち着かせることができます。
- 嗅覚: アロマオイルを染み込ませたハンカチをデスクに置く、またはアロマスプレーを空間に軽くひと吹きするなど、好みの香りでリフレッシュするのも良い方法です。
- 味覚: 温かいお茶やハーブティー、少量のお菓子などをゆっくり味わうことで、気分を落ち着かせ、集中力を取り戻すきっかけになります。
- 聴覚: 可能であれば、休憩中にヒーリングミュージックや自然の音を数分間聴くことも、心身のリラックスに繋がります。
デジタルデトックスを実践する
常に情報に触れていると、脳は疲労します。意図的にデジタル機器から離れる時間を作りましょう。
- 通知オフ: 作業中はスマートフォンの通知をオフにする、または視界に入らない場所に置くことで、集中力を妨げる要因を減らすことができます。
- 休憩中の情報遮断: 休憩中は、仕事のメールやSNSのチェックを控え、脳を休ませることを意識しましょう。
深い呼吸を意識する
ストレスを感じると呼吸が浅くなりがちです。意識的に深い呼吸をすることで、心身を落ち着かせることができます。
- 腹式呼吸: 数分間、お腹を意識して深く息を吸い込み、ゆっくりと吐き出す腹式呼吸を試してみてください。酸素が全身に行き渡り、リラックス効果が高まります。
集中力低下の背景にあるストレスへの気づき
集中力の低下が頻繁に起こる場合、それは心身が発するSOSかもしれません。業務量の過多、人間関係の悩み、睡眠不足など、様々な要因がストレスとなり、集中力に影響を及ぼすことがあります。
もし、上記でご紹介したセルフケアを試しても改善が見られない場合や、集中力の低下以外にも以下のような症状が続くようであれば、注意が必要です。
- なかなか寝付けない、または熟睡できない
- 食欲がない、または食べ過ぎてしまう
- 何をしても気分が晴れない、やる気が出ない
- 体の不調(頭痛、胃痛など)が続く
ご自身の心と体の状態に目を向け、無理をせずに適切な対処を考えることが大切です。
必要に応じた相談先の活用
集中力の低下が日常業務に支障をきたすほど続く場合や、心の不調を感じる場合は、一人で抱え込まずに専門の窓口に相談することを検討しましょう。
社内相談窓口・産業保健スタッフ
多くの企業では、社員のメンタルヘルスをサポートするための社内相談窓口や産業医、保健師といった産業保健スタッフを配置しています。守秘義務が徹底されており、安心して相談できる場所です。
EAP(従業員支援プログラム)
企業によっては、EAPという従業員向けの相談サービスを導入している場合もあります。専門のカウンセラーが、仕事だけでなくプライベートな悩みについてもサポートしてくれます。
公的な相談窓口
お住まいの地域の保健所や精神保健福祉センターなどでも、メンタルヘルスに関する相談を受け付けています。無料で利用できる場合が多く、匿名で相談することも可能です。
- 精神保健福祉センター: 各都道府県・指定都市に設置されており、心の健康に関する専門的な相談に応じます。
- 心の健康相談統一ダイヤル: 全国どこからでも利用できる電話相談窓口です。
専門医療機関への相談
心身の不調が続き、日常生活に影響が出ている場合は、心療内科や精神科といった専門医療機関を受診することも重要な選択肢です。医師による診断や治療が必要な場合もあります。適切なサポートを受けることで、症状の改善につながることが期待できます。
まとめ
集中力が途切れてしまうことは、誰にでも起こりうることです。この記事でご紹介した短時間の休憩、ストレッチ、五感の活用、デジタルデトックス、深い呼吸といった手軽なセルフケアを、ぜひ日々の業務に取り入れてみてください。
そして、もしセルフケアだけでは対処しきれないと感じた場合や、心身の不調が続くようであれば、一人で抱え込まずに、社内の相談窓口や公的な機関、専門の医療機関などを積極的に利用することを検討してください。
ご自身の心と体の状態に耳を傾け、無理なく健康的に働くことができるよう、適切なサポートを活用することが大切です。