デスクワークの疲れを和らげる:目と体を癒やすオフィスでのセルフケア
デスクワークの疲れと向き合う
長時間のデスクワークは、私たちの心身に様々な影響を与えることがあります。特にITエンジニアの方々のように、一日中パソコン画面と向き合う職種では、目の疲れ、肩や首のこり、頭痛といった「デジタル疲れ」を感じる機会も多いのではないでしょうか。これらの症状は集中力の低下やストレスにつながり、日々の仕事のパフォーマンスや気分にも影響を及ぼす可能性があります。
この記事では、オフィスで手軽に実践できる具体的なセルフケア方法と、症状が改善しない場合に頼れる相談先についてご紹介します。ご自身の状態に合わせて、できることから取り入れてみてください。
デジタル疲れの原因とは
デジタル疲れの主な原因は、以下の点が挙げられます。
- 長時間の画面凝視: 集中して画面を見続けることで、まばたきの回数が減り、目が乾燥しやすくなります。
- 目のピント調節筋の酷使: 近くの文字や画像を長時間見ることで、目のピントを調節する筋肉が疲弊します。
- 不適切な姿勢: モニターの位置が合っていない、猫背になっているなど、悪い姿勢での作業は首や肩に負担をかけます。
- ブルーライトの影響: パソコンやスマートフォンの画面から発せられるブルーライトは、目に負担をかける可能性があります。
これらの要因が重なることで、目の疲れだけでなく、肩こり、首こり、頭痛、さらには気分の落ち込みといった症状につながることがあります。
オフィスで手軽に実践できるセルフケア
ここでは、仕事の合間に簡単に取り入れられるセルフケア方法をご紹介します。
1. 目の疲れを和らげるセルフケア
目が疲れたと感じたら、以下の方法を試してみてください。
- 20-20-20ルールを実践する 20分ごとに、20フィート(約6メートル)離れた場所を20秒間見るという簡単なルールです。遠くを見ることで、ピント調節筋の緊張を和らげ、目を休ませることができます。意識的に休憩を挟むことが大切です。
- 意識的にまばたきを増やす 集中していると、まばたきの回数が減りがちです。意識的にまばたきをすることで、目の表面が潤い、乾燥を防ぐことができます。
- 温める・冷やす 休憩時間に、温かいタオルや冷たいタオルを目の上に乗せて数分間目を閉じると、血行促進やクールダウン効果が期待できます。市販のホットアイマスクなども有効です。
- 目のストレッチ 目を大きく見開いたり、ギュッと閉じたりを繰り返す、目を上下左右に動かす、目の周りを優しくマッサージするなど、簡単な目の体操も効果的です。
2. 体の疲れを和らげるセルフケア
同じ姿勢での作業が続くと、肩や首、腰に負担がかかります。こまめに体を動かすことを意識しましょう。
- 簡単なストレッチ
- 首のストレッチ: 首をゆっくりと左右に倒したり、前後に傾けたりして、筋肉を伸ばします。
- 肩のストレッチ: 両肩を大きく回したり、肩甲骨を寄せるように胸を張ったりします。
- 腕や指のストレッチ: 手首を回したり、指を一本ずつ反らしたりして、末端の血行を促進します。
- 腰のストレッチ: 椅子に座ったまま、体を左右にひねったり、軽く前屈したりして、腰の筋肉を伸ばします。
- 正しい姿勢を意識する
- 椅子に深く腰かけ、背筋を伸ばします。
- 足の裏全体が床につくように、椅子の高さを調節します。
- モニターは目から約50〜70cm離し、画面の上端が目の高さか、やや下に来るように調整します。
- キーボードとマウスは、腕や手首に負担がかからない位置に置きます。
3. 環境を整えるセルフケア
作業環境を少し見直すだけでも、疲れの軽減につながります。
- 照明の調整 画面が明るすぎたり、暗すぎたりしないように調整し、室内の照明とのバランスを取りましょう。画面への映り込み(グレア)にも注意が必要です。
- 定期的な休憩と水分補給 たとえ短時間でも、休憩をこまめに取り、席を立って体を動かすことが大切です。また、意識的に水分を摂ることで、全身の巡りを良くし、疲労回復を助けます。
症状が続く場合の相談先
上記のようなセルフケアを試しても症状が改善しない場合や、日常生活に支障が出るほどつらいと感じる場合は、一人で抱え込まず、専門機関に相談することを検討しましょう。
- 社内の相談窓口 企業によっては、産業医や保健師、カウンセラーが常駐している健康相談室や、EAP(従業員支援プログラム)の窓口を設けている場合があります。まずは会社の人事部や総務部に確認してみましょう。守秘義務が守られているため、安心して相談できます。
- 医療機関 目の疲れがひどい場合は眼科、肩こりや首の痛みが強い場合は整形外科など、症状に応じた専門医の診察を受けることが重要です。適切な診断と治療を受けることで、症状が改善する可能性があります。
- 公的な相談窓口 地域の保健所や精神保健福祉センターなどでも、心身の健康に関する相談を受け付けています。匿名で相談できる窓口も多く、専門家からのアドバイスを受けることができます。
まとめ
長時間のデスクワークによるデジタル疲れは、多くの人が経験する共通の悩みです。しかし、ご紹介したような手軽なセルフケアを日々の習慣に取り入れることで、症状を和らげ、快適に仕事に取り組むことができるようになるでしょう。
もし、ご自身でのケアだけでは症状が改善しない場合や、精神的な不調も伴う場合は、躊躇せずに専門家や相談窓口に頼ることを忘れないでください。ご自身の心と体の健康を第一に考え、無理なく仕事と向き合える環境を整えていきましょう。